こんにちは!thinc Partner編集部です。
この記事は、地域のクリエイティブ現場を届けるメディア「thinc Journal」で掲載されている磯村 歩さんのインタビュー記事『シブヤフォントで育む未来』について、読んでほしいポイントをお届けします。
——— 記事の概要
『シブヤフォント』は、渋谷で暮らし働く障がいのある人と、渋谷で学ぶ学生によって創られたフォント・パターンデータです。渋谷区公認のパブリックデータとして誰でも利用が可能であり、売り上げの一部は渋谷区内の障がい者支援事業所に還元されています。渋谷区のダイバーシティ&インクルージョンの理念を強力に発信し、現在は全国各地で『ご当地フォント』としても広がりを見せています。
共同代表を務める磯村さんに、シブヤフォントの誕生背景や、デザインと福祉の融合を通じて共生社会を目指す取り組みの詳細とその意義をお話いただいております。
——— 読んでほしいポイント
学ぶ姿勢が切り拓く
新たなクリエイションやキャリア
大学卒業後に富士フイルムへ入社した磯村さん。ユニバーサルデザインを担当していた中で、視覚障がいのある人が『写ルンです』がコミュニケーションツールとして活用されていたことを知ったことで、新たなデザインの可能性に気がつきます。従来の「使いやすさ」を追求するだけでなく、障がいのある人々の視点を取り入れ、共に創り上げることで、デザインが単なる機能以上の価値を持つことに気づかされた経験は、磯村さんにとって大きな転機だったでしょう。この経験が、後のシブヤフォントの活動に通じる「共創」の理念を形成する原動力となりました。磯村さんのお話しから、他者の視点や意見を尊重し、学ぶ姿勢を持つことが、革新や成長につながるということを改めて感じます。
フラットな関係性がもたらすもの
デンマーク留学で「フラットな関係性」と「対話」の重要性を学んだ磯村さんは、その経験をシブヤフォントの活動に反映させています。障がいのある人と学生、福祉作業所の人々が対等に関わることで、一方通行ではなく、双方向的なコミュニケーションを通じてアイデアが生まれています。このような環境をつくり出すことで、活動が自発的で持続性のあるプロジェクトへ発展すると言います。デザインやプロジェクト運営に限らず、日常生活や職場においても非常に参考になるものだと感じました。
多様性社会実現における
デザインの重要性
シブヤフォントは、単なるデザインプロジェクトではなく、地域社会や多様性を反映した社会的な活動として発展してきました。デザインがコミュニティの形成や社会的包摂に果たす役割は非常に大きく、シブヤフォントがその実践の一例となっています。記事では、デザインやアートを通じて、社会的インクルージョンを推進する事例の数々(シブヤフォントラボ、対話型アート鑑賞、ファッションショー、ご当地フォントなど)をご紹介いただきました。多様性を重んじる社会の実現に向けて、デザインが果たす役割の大きさを再認識しました。
——— まとめ
磯村さんが描く未来のビジョンは、障がいのある人と共に創造し、福祉の枠を超えた新しい社会的価値をデザインによって実現していくというもの。シブヤフォントがその象徴として、全国に広がりを見せることは、私たちにとっても多様性理解を進める一歩として大いに学ぶべき取り組みだと思います。
2024年4月には、渋谷の新たなランドマークとなっている東急プラザ原宿「ハラカド」の最上階に、「シブヤフォントラボ」がオープンしています。障がいのある人との交流の場を生み出しており、ギャラリーやワークショップ、シブヤフォントを採用した商品の販売などが行われています。近くを訪れた際には、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
全貌はリンク先よりご覧ください。
Ⅰ. フォントで始まるダイバーシティ社会
Ⅱ. 共創で生まれる変化
Ⅲ. シブヤから全国へ
thinc Partner編集部