この記事は
■スマートフォンカメラとミラーレスカメラの違い
■プロフィール写真の撮影のコツ
■デザイナーが撮影するときのコツ
が書いてあります。
こんにちは!thinc Partner編集部です。
thinc Partnerでは、デザイナーに限らず、様々な分野のパートナークリエイター(以下、パートナー)を迎え、知識やスキルを共有しあうイベント「Partner’s File」を定期的に開催しています。
5回目の開催となったPartner’s Fileでは、弊社が主催するプロジェクト「Rethink Creator PROJECT」の登録者の方々にも参加を呼びかけ、いつも以上に活気に満ちた会となりました!
1.Partner’s Fileについて
Vol.05では、カメラマンであり、写真撮影インストラクターの吉村隆さんにご登壇をいただき、「スマートフォンカメラとミラーレスカメラの違い」や「プロフィール写真の撮影のコツ」についてのお話をいただきました。
クリエイター同士の繋がりを感じていただき、新たな気づきに出会える90分間です。
2.Partner’s File009 吉村隆さん
吉村さんは大学卒業後、システムエンジニアとして勤務しながら、夜間に写真学校に通ってカメラの技術を習得しました。その後、広告写真スタジオで家電やモデルの撮影を手がけ、フィルム時代からデジタルへの移行を実践的に経験。当時はPhotoshopを使えるカメラマンが希少であり、重宝されたと言います。また、マーケットが変化をしていく中で、企業の会議室をスタジオのように使い撮影するスタイルを確立しました。カメラマンとしての活動以外にも、専門学校などでの講師経験があり、人材の育成にも力を入れています。2006年からはフリーランスとして、その幅広い経験と知識を活かして多岐にわたる活動を展開しています。
現在の講師活動では、カメラ未経験のEC担当者などへECサイトへ掲載する商品の撮影ができるようにゼロから育成されたり、プロカメラマン向けに要件にあった撮影方法をレクチャーするなど、多くの撮影者たちの成長を後押ししています。
私たち編集部もthinc Journalのメディア掲載のために機材選定から撮影、写真の加工について教えていただきました!
3.スマートフォンとミラーレスカメラの違い
皆さんは、「スマートフォンのカメラで撮影した写真」と「ミラーレスカメラで撮影した写真」にどのような違いが生まれるか、ご存知でしょうか?
ミラーレスカメラは、さまざまなレンズを取り付けることができるため、撮影方法にもよりますが、被写体の実際の外見に忠実な写真を撮影することが可能です。
一方で、スマートフォンのカメラは多くの場合、「ワイドレンズ」が使用されています。ワイドレンズは人の目で見るよりも広範囲で撮影ができるので、風景などを撮影する際には有効なレンズです。しかし、特性として、近くのものは大きく、遠くのものは小さく写ります。
このため、スマートフォンのカメラで対象物に近づいて撮影すると、歪むことがあります。例えば人物を撮影した場合、目が大きく、顔が小さく、全体的に幼く見えることが多いです。また、手を前に出して撮影すると、手が大きく映るようになります。
スマートフォンのカメラは日常のシーンを手軽にキャッチするのに非常に便利ですが、写真の見え方や印象が大きく変わることを学びました。もし、スマートフォンのカメラで人物を歪みなく撮影したいのであれば、インカメラではなく、少し離れた距離からアウトカメラでピンチアウト(拡大)して撮影することをおすすめします。
SNSに撮影した写真を投稿する際にも参考となりそうですね!
4.プロフィール写真の撮影のコツ
プロフィール写真は、「その魅力が写真から伝わるのか」といった点で、レストランのメニューのようだと吉村さんは仰っていました。皆さんのプロフィール写真は、以下の4つを満たしていますか?
□ 人物の魅力が伝わっていますか?
□ 何をしている人か、分かりますか?
□ 実際に会った時とのギャップは大丈夫ですか?
□ 選ばれる写真ですか?
——— 人物の魅力が伝わっていますか?
皆さんの魅力をプロフィール写真を通して、どれだけ伝えられるかが重要です。前述からもわかるように、プロフィール写真を自身で撮影することは難しいので、自身の魅力を最大限に引き出してくれるプロのカメラマンに依頼したり、魅力を理解してくれている友人や知人に撮影してもらうといいでしょう。
——— 何をしている人か、分かりますか?
お仕事で使うプロフィール写真もそうですし、SNSなどでプロフィール写真を使われる方も多いのではないでしょうか。プロフィール写真は「何をする人」「何ができる人」なのかを伝えられることが理想的です。
職業など、自身についてを想像できるヒント(小道具や服装)があるといいですね。例えば、カメラマンであれば手にカメラを持つ。料理人であればシェフハットを被るなど。しかし、プロフィール写真は小さくトリミングして扱われることが多いので、ヒントの位置によってはトリミングで切れてしまうことがあります。なので、想像させるヒントは、なるべく顔の近くに持ってアピールしましょう!
——— 実際に会った時とのギャップは大丈夫ですか?
実際に人と対面した時に、プロフィール写真との印象のギャップは避けたいものですね。例として、実際よりも豪華に見せた写真をメニューに使用した飲食店が訴えられた話があります。この例から分かるように、写真に過度な変化を加えすぎると不信感が生じることがあります。写真は実物に近い形に整えることが大切です。
——— 選ばれる写真ですか?
レストランのメニューと同様に、プロフィール写真は他の方と並べられる機会も多くあります。その中で「選ばれる写真か?」ということも考える必要があるでしょう。スマートフォンで撮影すると気軽に雰囲気や色調など加工ができ、オシャレに魅せることができます。しかし、プロフィール写真となると「選ばれる写真か?」という点において、冷静な判断が求められます。自分自身で判断することは難しいものですので、他の人に客観的に見てもらい、意見をもらうといいでしょう。
5.Partner’s Fileを終えて
今回はクリエイティブ関連以外の職種の方々にもご参加をいただきました。「スマートフォンカメラとミラーレスカメラの違い」や「プロフィール写真撮影のコツ」のお話は、クリエイティブを仕事にしている・していないに関わらず、試したいと思う内容が満載でした!
質疑応答の時間では、現役のデザイナーから「光を反射してしまうパッケージの商品」や「グラスなどの透明感があるもの」など、自宅で撮影するコツについて質問が挙がりました。また、「サロンの施術風景をわかりやすく撮影する方法」など、クリエイティブ以外の職種の方からも、たくさんの質問をいただき、専門的な機材がなくても身近なもので代用するノウハウなど、吉村さんから学ぶことができました。
ご参加いただいた方からは、
「自身の制作物の撮影や、プロに依頼するほど予算がない撮影案件が時々あるので、教え頂いたプロの撮影技術はとても役立つと思います」
「デザイナーの立場として、写真を選定する際の参考になりました」
「スマホのワイドレンズで人物が歪むことは初めて知ったので大変良かった。写真を4枚程度比較対象として見られたのがわかりやすかった」
「メルカリで出品する商品の撮影や、SNSにアップする被写体の撮影をする際に気をつけるポイントがよりクリアになった」
などコメントをいただきました!
Partner’s Fileは、今後も定期的な開催を予定しております。
ぜひ、ご参加をお待ちしております。
今回の記事は以上になります。
ありがとうございました!
thinc Partner 編集部