文字・フォントの基本
第3回 欧文フォント その2
この記事は
■Monotype Imaging Holdings Inc.とは?
■Monotypeの定番フォント
が書いてあります。
こんにちは!thinc Partner編集部です。
フォントの基礎知識をお届けする「もう文字で、モジモジしない!」、
皆様にご好評をいただき、お役立ていただけたこと、嬉しく思います。
3回目の連載となる本記事では、米Monotype社の下記ニュースを受けて、
定番フォントについてお届けいたします。
2023年7月、フォントワークスが提携先である米Monotypeの傘下になるニュースが発表されました。このことにより、定額制フォントサービスLETS(Leading Edge Type Solution)などのサービスを介して、Monotypeのフォントがより幅広く活用されることが期待されます。
1.Monotype Imaging Holdings Inc.とは?
1887年創業。米国に本社を置く世界最大級のフォントメーカーです。デザインリソース、フォントテクノロジー、専門ノウハウを活用し、ブランドの美しさや信頼性、インパクトを創造するサービスを提供しています。Helvetica、Frutigerなどの有名書体を所有。また、グラフィックデザイナーであれば誰もが知っているTimes New Romanを開発した会社でもあります。筆者のイメージとしては、グラフィックデザインよりも、OSなどに導入されるシステムフォントやプロダクト、建築などのサインなど、UIとして使われる印象があります。特に有名なのはMicrosoftです。OSのフォントにはMonotypeのフォントが使用されていました。「もう文字で、モジモジしない!Vol.01」のブログでもご紹介したLinotypeも同社の傘下になります。また、デザインされた英文フォントの販売で有名な「My Fonts」も傘下にあり、個性的なデザインがされたフォントを購入することができます。パッケージなどのデザインをする際はぜひ検討してみてはいかがでしょうか?
2.Monotype社の定番フォント
Times New Roman
また、広く使われるもう一つの理由として、文字や記号が多く実装されている点があげられます。ラテン文字だけではなく、キリル文字や記号類も充実しており、利便性に優れています。
Times RomanとTimes New Romanというフォントがありますが、大きな違いはイタリック体です。特に小文字のZを比べると、違いがわかるでしょう。
※Monotype社およびLinotype社がフォントの一般販売権を持ち、Monotype社が販売するフォントは「Times New Roman」、Linotype社が販売するフォントは「Times Roman」と呼ばれるようになりました。
Gotham
Gill Sans
Arial
Bembo
Caslon
Bodoni
Garamond
ギャラモンが亡くなった後、ジャン・ジャノンが制作した書体がフランスで初めてとされる書体見本帳となったことで「ジャン・ジャノンが制作した書体=ギャラモン」だという誤解が生じました。これにより、今ではオリジナルの書体の流れを汲む「ギャラモン系」と「ジャノン系」、2つのギャラモンが存在します。
Palatino
ここまで、読んでいただきありがとうございました。
広告や販促、エディトリアル、Web、プロダクト。どれを選んでも文字のないデザインは存在しないと思います。フォントはデザイナーにとって基本中の基本です。歴史や背景を理解することで、どのように使えば良いかやどのフォントを選ぶべきかを適切に判断することができるでしょう。自分のデザインを実現する手助けになれば幸いです。
参考文献
「欧文書体」 小林 章 著 美術出版社
「欧文書体2」小林 章 著 美術出版社