この記事は
■フリーランスデザイナーとしての働き方
■書籍の出版について
■iPadの活用/時短テクニックについて
が書いてあります。
こんにちは!thinc Partner編集部です。
thinc Partnerでは、パートナークリエイター(以下、パートナー)が登壇する座談会のような
ディスカッションイベント「Partner’s File」を開催しております。
今回は、4回目の開催となったPartner’s Fileについてお届けします!
1.Partner’s Fileについて
Vol.04では、前職にて同じエディトリアルデザイン会社に勤務していたという
パートナーの藤原理恵さんと秋葉麻由さんのお二人にご登壇いただき、会社員時代のお話や、
フリーランスになってからの働き方について、また出版した書籍についてのトークセッションを行いました。
藤原さんと秋葉さんは2人のお子さんを持つママクリエイター。
子育てと仕事の両立で日々忙しく活動されている中、どのように業務の効率化を図っていらっしゃるのか、
時短テクニックなどについても伺いました!
クリエイター同士の繋がりを感じていただき、新たな気づきに出会える100分間です。
2.Partner’s File007 藤原理恵さん
広告、WEB、エディトリアル、 映像など幅広い媒体でデザイン経験を積み、2018年にフリーランスとして独立。
現在は、書籍・雑誌のエディトリアルデザインやWebサイト、アプリ、広告、ロゴなど、ジャンルに捉われることなく、デザイン制作に携わっています。前職で素材集、デザイン書籍の企画/執筆の経験を積み、フリーランス後も著書を4冊出版しています。
もともと多趣味だという藤原さん。今も時間を見つけては、友達と美術館やランチに行ったり、息抜きのために、今年からデッサン教室に通われたりしているそうです。
また、4年ほど前からは、月1〜2度は家族でキャンプをしているそうで、お仕事と自分の時間、家族との時間のバランスを上手に取っていらっしゃる様子が印象的でした。
今後の展望として、「地元の活性化に関わる仕事、海外の仕事に挑戦したい」とのこと。コロナの影響で一時ストップしていたそうですが、数年前から、出身地である新潟にて、Iターン、Uターンにつながる若者向けのプロジェクトを進めていこうとされています。
また、デザインという世界共通のコミュニケーションを使って、海外の企業のデザインなどにも挑戦したいとグローバルな視点での目標もお話いただきました。
SNSで名刺のイラストを台湾のイラストレーターに発注したご経験もあり、インターネットがあれば、世界中繋がることができると実感したことがきっかけの一つでもあるようです。
3.Partner’s File008 秋葉麻由さん
学生時代にインターンで入ったエディトリアルのデザイン会社にアルバイトとして勤務後、正社員として就職。
主に、女性向けや子供向けの雑誌を中心に担当し、他にも素材集に収録する素材、書籍の挿絵、折込チラシなどの制作に携わりました。
退職後は2児の子育てをしながら、フリーランスとしてイラストやエディトリアルの仕事を続けています。
趣味は「写真を撮ること」と「Lightroomで補正作業をすること」だそうで、主にお子さんのお写真を撮影されることが多いそうです。クオリティの高い素敵なお写真をご紹介いただき、藤原さんも「ぜひ撮ってほしい〜!」とコメント。実際お仕事として受けられたことはないようですが、いずれはお仕事にできたらと、考えていらっしゃいます。
今後の展望については、「かっこいいママになりたい」とお話くださいました。
自分が働いている姿を子供に見せていきたいとのことで、お子さんも最近は「何の絵描いているの?」とお母さんのお仕事に興味を示したり、仕事が大変そうだと進んでお手伝いをしたりしてくれるそうです。過去のPartner’s Fileで登壇いただいたママクリエイターさんのお話を聞いて、バイタリティ溢れる姿がかっこいいと感じ、自分もそうなりたいと思ったと言います。
4.書籍の出版について
藤原さんがフリーランスになってから出版した書籍4冊についてご紹介いただきました!
秋葉さんも多くの書籍に携わられており、当日は出版の裏話などで盛り上がりました。
「Illustrator & Photoshop手描き風アナログデザインのつくり方」
出版:2019年10月
イラストが苦手な人でも、IllustratorやPhotoshopで手描き風のアナログデザインを
簡単に作れるテクニックが詰った本です。
秋葉さんも半分ほどの作例デザインと手順の執筆を担当されました。藤原さんの書籍に携わられたのは、こちらの書籍が初めてとのこと。普段、感覚的にやっていたことを言葉にする作業は、考えを巡らせて作る必要があり、戸惑いもあったと言いますが、すごく勉強にもなったそうです。
「Illustrator & Photoshop和風デザインのつくり方」
出版:2020年10月
日本の伝統文様、紋、柄など、さまざまな古典のパーツやデザインの作り方を解説したデザインの教科書です。フリー素材をそのまま使うというよりも、ワンランク上にアレンジするようなテクニックやポイントなども解説されています。
秋葉さんも、半分ほどの作例デザインと手順の執筆を担当されました。特に大変だったことは、Illustratorの機能を使い、長方形だけで亀と鶴を描くというもの。少しずつ歪ませて羽などを形づくっていったそうです。「絵が描けなくても簡単に」を意識していたため、その点が苦労したようです。
「神速iPadデザイン〜クリエイティブワークがはかどる技とアイデア!」
出版2022年2月
iPadやApple Pencilを使って、デザインワークの効率化に役立つ活用ガイド本です。
子育てと仕事の両立が本当に大変で、時短テクを色々と調べていくうちに、iPadにたどり着いたそうです。iPadを使うことで効率的に仕事が進み、感動したことをきっかけにこの書籍を企画。現在藤原さんは、PCとiPadを使い分けて作業しているようです。
ジェスチャー操作やApple Pencilを使うことで、両手で操作ができる分、デスクトップアプリよりも素早く作業ができたり、パスの切り抜きもマウスで作業する何倍も早く作業できたりと、iPadを使うことで時短になる技をいくつかご紹介いただきました。
iPadの活用イメージとしては、スキマ時間に修正をする、iPadでやったほうが早い、例えばビジネス的な作業を行うなどです。iPad版のIllustratorやPhotoshopは発展中という部分もあり、現状はできない作業もあったりするようですが、PCと使い分けて作業することで、効率化を図っているんだとか。出先でも気軽に作業ができる点も良いですね。
秋葉さんが担当したのは、表紙のイラスト部分。
ご依頼をした経緯について、藤原さんのお子さんが通っていた幼稚園がコロナの影響で急遽休園となり、重ねて年末の繁忙期ということで困っていたところ、秋葉さんにダメ元でお願いをしたというエピソードがありました。入稿の2〜3日前という直前にもかかわらず、快く引き受けていただき、本当に救世主だったと言います。
「言葉をイメージに変える ひらめきデザインひきだし帖」
出版:2022年9月
デザインイメージが無限に広がるヒントと、言葉をビジュアル化するのに役立つ辞典のようなアイデア集。
クライアントの求めるイメージをしっかりと共有することが重要だと思いつつ、デザインを言語化することの難しさを感じていた中で、こういうものがあったら便利じゃないかと企画された書籍です。
当日は言葉をビジュアル化するのに役立つ、「アイデアツリー」の手法をご紹介いただきました。言葉を連想していくことで、抽象的だったイメージが具体的になり、デザインの方向性を言語化し、クライアントとイメージを共有するのに役立つと言います。
▼アイデアツリー
他にも、言葉をビジュアル化するのに役立つ配色やフォント選びのポイント、具体的なデザイン例を載せて解説されています。
ビジュアル化の作例は、秋葉さんの他にクリエイターズマッチのパートナー2名も協力されています。藤原さんは、クリエイターズマッチの案件でよく一緒になったパートナーさんのデザインを以前から素敵だなと感じており、スカウトされたとのことです!
5.Partner’s File を終えて
今回は、エディトリアル出身のパートナーのおふたりということで、書籍の出版話などを中心にお話を伺いました。
ご参加いただいた方からも、
「自分とは異なる視点やスタイルで活動されている方のお話を聞くことができ、モチベーションがアップしました。」
「お忙しい中での時短術など参考になりました。キーワードのイメージを膨らませていくアイデアツリーも大事な工程だなと感じました。」
「iPadとAppleペンは所持しているのですが、まったく活用できていなかったので、活用されている藤原さんのお話をお聞きしていてもったいないことをしているなと反省しました。今後色々試していきたいと思います。」
などコメントをいただきました!
Partner’s Fileは、今後も定期的な開催を予定しております。
ぜひ、ご参加をお待ちしております!
今回の記事は以上になります!
ありがとうございました!!
thinc Partner 編集部