この記事は、地域のクリエイティブ現場を届けるメディア「thinc Journal」で掲載されている静岡県静岡市産業振興課プラモデル振興係 石川直哉さんのインタビュー記事『ひとりの100歩より、100人の一歩』について、読んでほしいポイントをお届けします。
——— 記事の概要
徳川家康ゆかりの地である土地柄から、古くよりものづくり産業が盛んな静岡県静岡市。全国の自治体でシティプロモーションが盛んにおこなわれていた2007年ごろより、『ホビーのまち静岡』としてPR活動を開始。その後、静岡市により人を呼ぶためにはじめられたのが、『静岡市プラモデル化計画』です。同プロジェクトを担当する静岡市産業振興課プラモデル振興係の石川さんに、自治体としてどう民間企業や地域と関わりながらプロジェクトを進めているのか、各施策への想いと共に伺っています。
——— 読んでほしいポイント
民間企業を巻き込んで作る
『静岡市プラモデル化計画』は、環境づくり、人材づくり、コンテンツづくりの3本柱で進められています。このうち、環境づくりの施策の代表でもあり、同プロジェクトの皮切りでもあるのが、プラモニュメントの設置です。「静岡市に来た」と思えるシンボルを作るため、市の施設の看板、公衆電話などをプラモデルのようにデザインし、モニュメントとして設置しています。プラモニュメントは、民間企業にも協力を依頼することで設置数を増加しました。ものづくり産業の企業だけではなく、市を盛り上げる社会貢献の側面、自社のPRとして活用できる点をメリットとして伝えることで協力体制を築いています。自治体や業界内企業だけで取り組むのではなく、業界外の企業にも力を借りることで、マチとしてのブランディングにつなげられるのです。
未来を生きる子どもたちに
ものづくりの魅力を伝える
人材づくりの施策として特に力を入れているのは、地域の小学校への出前授業です。地場産業を知る授業、職業について学ぶ授業が指導要領に含まれる小学4年生、6年生を対象に、
メーカーと学校を訪れ、仕事内容の紹介とプラモデル作りを行っています。地場産業を残すには、消費者と働き手の双方が必要です。未来を生きる子どもたちにものづくりの魅力を知ってもらうことは、将来のものづくり愛好者、産業の担い手の双方を増やすことにつながります。授業時間を活用した内容の提案をすることが、学校側にも受け入れてもらえるコツとのこと。次世代に裾野を広げる機会を作る参考にしてみてください。
多くの人を巻き込むことで
少人数でも大きなムーブメントを実現
同プロジェクトを担当するプラモデル振興係は、少人数でのスタートでした。「人数が少ないからできることが限られる」と考えてしまう方もいるかもしれません。しかし、石川さんのモットーは「ひとりの100歩より、100人の一歩」。民間企業や学校の方など、さまざまな方を巻き込んでいくことで、活動の幅や規模を広げてきました。18歳以上の方に開催している『ものづくりプラモデル大学』では、ものづくりの歴史や魅力だけではなく、情報発信についても伝授。その結果、卒業後にプラモデルカフェを市内に開いた方や400人の子どもたちを集めた工作体験会を開催した方も出てきています。「ひとりの100歩より、100人の一歩」という考え方は、限られた人員で大きな成果を出す秘訣だといえるでしょう。
——— まとめ
同プロジェクトを担当するにあたり、小学生以来、数十年ぶりに自分でプラモデルを買って作ってみたという石川さん。そこで自ら感じた「ものづくりは面白い!」の想いが、仕事のモチベーション維持につながっているといいます。「仕事だから」という理由だけではなく、自らの「ものづくりの良さを広く伝えていきたい」という熱い想いがあるからこそ、民間企業や学校とも良い関係性を築け、プロジェクトの輪を広げていかれているのでしょう。
順調に活動を進めているプラモデル振興係ですが、石川さんの体感では「まだ3割」とのこと。種まきの段階を終え、ここからは芽を成長させ、花を開かせるための段階へと移ります。目指すは世界の方に「プラモデルのマチ」と認知してもらえるマチ。今後の取り組みが楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
全貌はリンク先よりご覧ください。
Ⅰ. プラモデルを市の象徴に
Ⅱ. 世界に認知されるマチへ
thinc Partner編集部