この記事は、地域のクリエイティブ現場を届けるメディア「thinc Journal」で掲載されているSHIMA DENIM PROJECT代表 山本直人さんのインタビュー記事『「四方よし」なビジネスを』について、読んでほしいポイントをお届けします。
——— 記事の概要
使いきれず廃棄されている沖縄県産さとうきびの搾りかす(バガス)をアップサイクルし、循環型経済を生み出すことを目指しているSHIMA DENIM PROJECT。バガスを使ったデニム作りからはじまり、現在はバガス以外の残さ(商品の製造過程で捨てられてしまう素材)にも着目し、残さを活かした商品の提案をコラボレーション先の地域や企業に行っています。このプロジェクトを立ち上げたのは、山本直人さん。東京都出身の山本さんがバガスに着目した理由、循環型社会を目指して広がる取り組みについてお話を伺っています。
——— 読んでほしいポイント
想いを口にすることで
共感した協力者と出会えた
ものづくりには相応のロットが求められます。しかし、山本さんが挑戦したバガスを使ったデニム作りは、多くのアパレルメーカーが作るような大量生産はできません。そのため、各工程を担う工場の多くから話をシャットアウトされてしまったといいます。そうした壁を乗り越えてデニム作りをはじめられたのは、山本さんの「バガスをアップサイクルしてデニムを作りたい」という想いに共感した協力者と出会えたため。山本さんと同じように、自分たちの産業に責任や想いを持っている人たちが、山本さんの声がけに集まったからこそ、一歩を踏み出せたのです。周りから理解されなくとも、想いを口にして動き出してみること。そして、動き続けること。それが新しい取り組みを前に進める大切なことなのです。
数字を出すことで
説得力のあるものづくりを
「環境にいい」と謳っているだけでは、本当に良いのか、どれぐらい良いのか、一般消費者に説得力を持って伝えることはできません。山本さんは、LCA(ライフサイクルアセスメント*)を活用し、CO2の排出量を可視化。トレーサビリティ*も明確にすることで、透明性を担保したエビデンスを明示しています。名実ともに「環境に良い」商品だと自信を持って世に送り出すためにも、データによるエビデンスを重視してみるのも良いかもしれません。
「四方よし」を意識した選択を
売り手、買い手、世間の三方を考える「三方よし」という近江商人の考え方があります。ただ、これからのビジネスには、ここに「将来よし」を加えた「四方よし」が必要なのではないかというのが山本さんの考えです。今を生きる自分たちのことだけを考えれば是とされる選択であっても、未来に目を向けて考えてみると、持続不可能な選択であることは少なくありません。また、それは消費者としての選択時も同じこと。どれだけ高価でも環境に配慮したもの選びをしなければダメだというわけではありませんが、大量生産、大量消費の積み重ねが今の環境問題を招いていることをまずは意識すること。作り手も買い手も、自分の選択が未来につながることを考えて行動していきたいものです。
——— まとめ
ひとりでも多くの人が環境のことを考えたもの選びをするようになれば、社会は少しずつ良いほうへと変わっていくでしょう。ただ、山本さんは誰かのアクションを自分が変えようと意気込んで活動しているわけではありません。自分の審美眼を信じたものづくりを行い、商品を見て「良いよね」と感じてくれる人が増えれば、それがサスティナブルにつながる。特に未来を生きる10代に「良いよね」と思ってもらえる取り組みが未来につながると考え、教育機関との取り組みも行っていると言います。「やってみた結果、上手くいかなかったとしても、何かに影響を与えられれば無駄な挑戦にはならない」。山本さんのこの言葉は、何かをはじめてみたい方の背中を押してくれることでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
全貌はリンク先よりご覧ください。
Ⅰ. さとうきびをデニムへ
Ⅱ. 共感を得て広がる取り組み
thinc Partner編集部