文字・フォントの基本
第2回 意外と忘れがちなデータのこと
この記事は
■N、ProN、StdN、Pr5N、Pr6Nって何
■オプティカルとメトリクス
■カーニングと行間の作り方
について書いてあります。
こんにちは!thinc Partner編集部です。
第1回目で、欧文フォントについて少し触れてみました。
フォントを購入する前、後の設定についても
思わず忘れがちな基本を備忘録として書いていきたいと思います。
1.フォントデータの基本
いざフォントをインストールすると、フォント名称の後ろにN、ProN、StdN、Pr5N、Pr6Nなどの名称が付いていると思います。これは何のことか、ご存知でしょうか。この後ろについている英文はJIS規格(Japanese Industrial Standards文字セットの公的規格)に対応した文字数のことです。簡単に説明すると、表示できる文字の数が少し多いということです。逆に言えば標準的に表示できる文字には大きく違いがないということでもあります。わかりやすい例で言うと「辻」と言う感じがありますが、Proでは「一点しんにょう」ProNでは「二点しんにょう」で表示されます。どちらが正しいかと言う話は別として、フォントを置換した際はこうした可能性があることに注意して校正を行う必要があります。念のため多くのフォントをインストールしたくなりますが、フォント数を増やすとアプリケーションにかかる負荷も相応に多くなります。基本として、Pro6はProの内容を含んでおり、ProはStdの内容を含んでいますので、必要最小限のフォントに留めておきつつ特性を理解して使用することをお勧めします。
2.字間設定の基本
文字をレイアウトする際には文字間の設定を行っていると思いますが、メトリクス、オプティカル、和文等幅、これらの違いをついつい結構忘れてしまいがちです。メトリクスとはフォントデータに格納されている情報をもとに自動でカーニング設定を行うものです。欧文フォントにはカーニング情報が含まれていませんので、「WA」「Ty」などのペアカーニング設定がされているもののみが調整されます。また、OpenType機能にあるプロポーショナルメトリクスという設定も同様の効果ですが、こちらの機能ではペアカーニングが行われません。オプティカルという設定は、Adobeのアプリケーション上でカーニングを行ってくれる設定です。見た目上で文字間の調整を行ってくれます。メトリクス、オプティカルどちらの設定においても句点においては、アキなし、四分アキなどの別途設定が必要になります。和文等幅は、等しい幅で文字組みを行う設定なります。文字組にリズムをつけずに、あえて単調な語り口などでデザインする場合に使用します。
3.読みやすい文体とフォントサイズ
読みやすい文字を作るコツとして、本文かキャッチコピーを意識する必要があります。本文の場合は文章量が多いので、横への目線移動をしやすくすると読みやすくなります。行間については、1.75倍くらいが基準になると思います。等幅以上の行間を長文で作ると、端から端への目線の移動が困難になるために読みにくい文章になります。フォントサイズについても少し触れておきたいと思います。冊子などのデザインをする場合は、本文は9P〜11P、注釈などは7P程度、リードコピーは12P〜14Pがよく使われる設定だと思います。明朝体は小さい文字の可読性が低下するので注釈などには基本使用しません。広告の場合はさらに注意が必要で、新聞広告の最低級数は、10級明朝、9級ゴシック(朝日新聞)になっています。Webデザインでは本文は日本語の場合14〜16pxが一般的なフォントサイズとなっています。英文の場合は16〜18px。最小フォントサイズは10pxが推奨値です。
※ 1pt = 1.33px、 1級 = 0.709pt = 0.25mm
データの基本情報は以上になります!
読んでいただいた皆様参考になりましたでしょうか?
これを書いている筆者もすぐに調べないと忘れてします情報もおおいので、
ブックマークしてご活用いただければ幸いです。